定番URA定番

昭和30年頃に創業した、中華店〈雲龍亭 浜んまち〉は「一口餃子」が看板メニューのお店です。全て手づくりで仕立てた餃子は、二代目が先代から受け継いだ昔ながらの味わいで長年愛されてきました。特徴は、名前の通り何個でも食べられそうなサイズ感。一口で何個でも味わえそうです。カリッとした皮の中にはジューシーな餡がたっぷり。ビールとの相性も最高です。一方、地元の常連客に人気メニューは「ブタニラトジ」。豚肉とニラをたまごでとじ、さっと炒めたシンプルな一品料理です。一口餃子と同じくビールがすすむ味わい。餃子と合わせて堪能してみてはいかがでしょうか？

新地中華街の入口に構える〈京華園〉は観光客を中心に評判のお店です。豊富なメニューが並ぶなか、特に観光客に人気なのが「ちゃんぽん」。鶏ガラと豚骨がブレンドされたあっさりとした味わいの透明感あるスープが絶品。またコシのある麺もスープによく絡み、ツルっとした食感とともにおいしくいただけます。一方URA定番は「ニラパンメン」。ちゃんぽんと同じ麵を使った逸品で、やわらかジューシーなチャーシュー、シャキシャキもやしとニラの食感に旨味が感じられます。中華街を代表する中華屋さんの麺をぜひ食べ比べてください。

長崎の定番観光スポット〈グラバー園〉に入園した人しか立ち寄れないカフェ〈自由亭〉は、日本人シェフ初の西洋料理店を移築復元したお店。長崎港を見渡せる絶好のロケーションと、クラシカルな空間のなかで、ゆっくりとカフェ時間を過ごせる場所です。人気のメニューは、近年のＳＮＳと喫茶店ブームで開発された「紫陽花（あじさい）ゼリーソーダ」。長崎市の花の紫陽花をモチーフにしたフォトジェニックな見た目で、メニューに並ぶや否や定番メニューになりました。URA定番は、「クランベリータルトパイ」。グラバーさんの故郷であるスコットランドの伝統的なお菓子を再現したメニューで、パイ生地に挟んだたっぷりの甘酸っぱいクランベリーを楽しめます。ぜひ、長崎ともゆかりの深い二つのメニューを合わせていただいてみてはいかがでしょうか？

お次に紹介するのは、中通り商店街の一角にあり趣きある建物がひと際目を引く、老舗和菓子店〈岩永梅壽軒〉です。茶道の基本に習った、季節を感じさせる主菓子を中心に和菓子がズラリ。季節の甘味を求めて客足が途絶えることはありません。お店を代表するのが、独自に生み出した和菓子「もしほ草」。藻塩草をイメージし求肥で形作った和菓子で、独特の食感と磯の香りが特徴です。一方、知る人ぞ知るURA定番が「カステラ」。受注生産のため店頭ではほとんどお目にかかれない幻のカステラです。しっとり、もちっとした生地が絶品です。老舗の和菓子店が仕立てるカステラはお土産でも喜ばれること間違いなし。ぜひお試しあれ。

最後に紹介するのは、居酒屋が軒を連ねる思案橋エリアで長年愛されてきたおでんの名店〈桃若〉です。暖簾をくぐるとコの字型のカウンターがあり、目の前に配置されたおでんからは、出汁の良い香りが立ちのぼっています。長崎おでんとは、その名の通り長崎のバリエーション豊かな蒲鉾をふんだんにだしに漬けたおでんのこと。定番メニューの「竜眼(りゅうがん)」は長崎ならではのおでんネタで、ゆで卵を蒲鉾で包んだ逸品です。ネタの断面が龍の目に見えることからこの名前になったそうです。龍が縁起が良いことから地元ではお祝い事で登場するかまぼことして親しまれています。一方で店主のオススメは、「とうふ」です。出汁の染み込んだあたたかな味わいで、お好みで自家製の柚子ごしょうをつけて楽しむこともできます。スタッフとの会話が弾むカウンター席では、はじめてのお客様同士が仲良くなることも珍しくないそう。人情味あふれるお店で、じんわり広がるやさしい出汁のおでんを堪能してみてください。