至高の料理を生み出す、長崎の料理人たち [trattoria UGO / Piacevole]
長崎市の浜町アーケードからすぐの場所に佇むイタリアンレストラン「trattoria UGO」。夜のおまかせコースのみ、というスタイルは「一番食べていただきたいものを作りたい」というシェフ・吉田太さんの純粋な気持ちから。日々自らの料理が問われる中で、技術だけではなく感性も磨かれている。「素材の扱いも調理工程も、以前は気付かなかったことに気付くようになりました。ただ、それは今のベストであって、もっと経験を重ねるとまた見え方が変わると思います」。かつてはイタリア・トスカーナで料理を修業。今でも定期的に訪れて、イタリアの食文化を丸ごと体感。アイデアを持ち帰っている。
ディナータイムの後には、ワインタイムを設けている。訪れた人の好みやその日の食材に合わせて、即興でおつまみを用意。ソムリエの資格を持つ奥さまが、料理に合わせたワインを提案してくれる。ワインセラーに並ぶ1,000本以上のナチュラルワインは、イタリア産にこだわらずセレクト。「長崎の食材との相性を軸に、シェフの料理に寄り添う味わいを大切にしています」とのこと。ちなみに店内に飾られた写真は、吉田さんが自らイタリアで撮影したものだ。カウンター横の大きな一枚は、アマルフィの街を歩く奥さまの後ろ姿。夫婦の人生とともに歩んできたお店は、あと数年で20年という節目を迎える。
TEL.095-829-2648
長崎市油屋町1-10
営業時間 ディナータイム/18:00〜21:00(要予約)
ワインタイム/21:30〜24:00(なるべく来店前に連絡を)
定休日 日曜
駐車場 なし
多くの観光客が行き交う眼鏡橋近くに店を構えるイタリアンレストラン「Piacevole(ピアチェーボレ)」。シェフ・今道康弘さんの修業時代のお話を伺うと、その始まりはフランスにあった。「調理師学校の研修で半年間、何も知らない状態でフランスの三つ星レストランに送り込まれたんです。毎日材料の下ごしらえや雑用ばかり。しかも言葉が通じないアジア人に対する差別もひどく、かなり鍛えられました」と振り返る。帰国後は様々な場所で料理の腕を磨きつつ、大先輩の作ったイタリア料理が忘れられず、一念発起して今度はイタリアへと旅立つ。イタリア語は日常会話レベルまで習得。今回は料理人としても、社会人としても経験を重ねた上での料理修業となった。
イタリアから帰国後、実は一時期、介護施設の料理を手がけていた今道さん。現在もライフワークとして、高齢者施設での出張料理をボランティアで行っている。「食の喜びは人間にとって根源的なもの。味や見た目はもちろん、食べやすさにも気を配った一皿で喜んでいただけると、こちらもすごく嬉しいです」。そんな今道さんの人柄、気配り、やさしさ。それらすべてが行き渡った「ピアチェーボレ」は、あたたかな親密さが感じられる。「ミシュランの星は目指していません。きちんとした料理を出しながら、あくまでお客さまに近いレストランでありたいんです」と、今道さんは軽やかに話す。
TEL.095-825-1222
長崎市銀屋町2-16
営業時間 ランチ11:30~14:00
ディナー18:00~22:00(os21:00)
定休日 不定休
駐車場 なし
- THEナガサキ飯、な特集
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