THE スタンダード 定番グルメ豆知識【洋食】

洋食のハナシ

　中華料理と同様、長崎と西洋料理の関係性も、切っても切れない間柄。「西洋料理発祥の地」として、長崎のDNAに深く組み込まれています。それはもちろん、鎖国下の日本において唯一の貿易都市だったことに由来します。出島を出入りする西洋人たちと接する「通詞」という役目の人たちは、よくオランダ人たちと食卓を共にし、時には西洋文化に興味を持った大名たちとの間を取り持ちながら、その文化の伝達に一役買っていました。大名や学識者たちは、出島からレシピを持ち出し、長崎、そして全国へと洋食が広まっていきます。西洋料理のはじまりの店は、出島のオランダ人屋敷でコック見習いとして研鑽を積んだ草野丈吉が、1863年に開いた西洋料理店〈良林亭〉。後に自由亭と改名されます。その歴史と文化の残り香は、グラバー園内に佇む〈自由亭喫茶室〉で楽しむことができます。ダッチコーヒーやカステラはもちろん、ビーフシチューやカレーなど、長崎洋食を感じるメニューも多いので、当時にタイムスリップした気分も合わせて楽しんでみてはいかが？もちろん、長崎各所で親しまれている洋食店もオススメです。